報告レポート

第11回 福岡岬塾

【第十回福岡みさき塾】

2010.12.18

(株)寺子屋モデル会議室(福岡市博多区博多駅東2-5-28博多偕成ビル806)

<一即多…主宰:権藤氏より>

第一回 「徒然草」吉田兼好(1283〜1352・弘安6年~文和1年?)

第二回 「五輪書」宮本武蔵(1584〜1645・天正12年~正保2年)

第三回 「翁問答」中江藤樹(1608〜1648・慶長13年~正保5年)

第四回 「山鹿語類」山鹿素行(1622〜1685・元和8年~貞享2年)

第五回 「童子問」伊藤仁斎(1627〜1705・寛永4年~宝永2年)

第六回 「養生訓」貝原益軒(1630〜1714・寛永7年~正徳4年)

第七回 「おくのほそ道」松尾芭蕉(1644〜1694・正保1年~元禄7年)

第八回 「折たく柴の記」新井白石(1657〜1725・明暦3年~享保10年)

第九回 「葉隠」山本常朝(1659〜1719・万治2年~享保4年)

第十回 「都鄙問答」石田梅岩(1685年~1744・貞享2年~延享1年)

第十一回 「日暮硯」恩田木工(1717~1762・享保2年~宝暦12年)

1、徳川家康、2、徳川秀忠、3、徳川家光(1623~1651)、4、徳川家綱(1651~1680)、5、徳川綱吉(1680~1709)6、徳川家宣(1709~1712)7、徳川家継(1712~1716)8、徳川吉宗(1716~1745)9、徳川家重(1745~1760)10、徳川家治(1760~1788)

1、黒田長政(1600~1623)2、黒田忠之(1602~1654)3、黒田光之(1654~1688)4、黒田綱政(1688~1711)5、黒田宣政(1711~1719)6、黒田継高(1719~1769)7、黒田治之(1769~1781)

恩田木工の時代を生きた福岡ゆかりの先人達

【草野又六】(1678〜1730 久留米市大橋町) <筑後川水利に貢献>

1712年(正得2)農業用水開発のため筑後川床島堰(現三井郡大刀洗町)の建設に力を尽くした。

【松延貫嵐】(1733~1796 八女市) <浄瑠璃作者>

荒廃した故郷に浄瑠璃を人形芝居をもたらし貢献。晩年は俳人として筑後雪中庵の祖として多くの門人を育てた。

【亀井南冥】(1743~1814 福岡市早良区) <「金印弁』著者>

江戸中期の医家・儒者。福岡市の志賀島で発見された刻印を、後漢から下賜された金印であることを解明する。

【伊能忠敬】(1745~1818 千葉県) <小倉を起点に九州を測量>

54歳から17年間かけて日本全国を測量、死後2年、1821年に「大日本沿海輿地全図」が完成する。

【緒方春朔】(1748~1810 久留米) <種痘始祖>

ジェンナーの牛痘法の発見より7年早く天然痘予防の為の人痘法を創案した医師。

【仙涯】(1750~1837 岐阜県) <死にとうない>

1789年40歳で聖福寺第123世住持になる。晩年は仙涯の禅的戯画を求めるもので門前市をなした。<死にとうない>臨終の言葉。

<室屋友則氏(福岡運輸勤務)>

本日のテーマ「恩田木工」が生きた時代に興味を持ちました。

時は享保、暴れん坊将軍でおなじみの徳川吉宗の時代。

寛政、天保とならび三大改革のひとつ『享保の改革』が実施され、目安箱などが設置されました。

たびたび氾濫を繰り返す木曽三川(木曽川・長良川・揖斐川)の治水事業(宝暦治水)を命じられた薩摩藩が大変な事態になった『宝暦治水』は鹿児島出身なので以前から知っていましたし、岐阜県との友好関係もあります。

そんな時代背景の中、1757年、恩田木工は真田幸弘から信濃国松代藩の財政再建を命じられます。

大役を命じられた木工は、「嘘はつかない」「一飯一汁」「妻に離縁状」などの誓いを立てたのです。

覚悟が違うなと思いました。

在任中、部下の不祥事に対する思いやりなどに感動しました。

私もまだ社会に出て3年、まだまだ叱られてばかりですが、たまに褒めてくれる上司に感謝していますし、自分が上司になった時にはそんな人になりたいと思いました。

とにかく「恩田木工」とは優しくて良い人だと感じました。

<岬先生>

室屋!勉強になっただろう?「恩田木工」一生忘れられない名前になった事と思う。

歴史的な背景を知る事も大切だ。

しかし、それよりもその人物が何をして、何を語ったか?が大事だぞ。

佐藤一斎の語録『言志四録』は、《指導者のためのバイブル》とも言われている。

読書家で知られた大平正芳首相はこの『言志四録』と恩田木工の『日暮硯』が愛読書だった。

イザヤ・ベンダサン『日本人とユダヤ人』などと並び、三木首相辺りからの歴代総理はみな読んでいる。

『日暮硯』は1時間もあれば読めるので是非、読むように!

さて、今日の新聞トップは日本の防衛大綱に関する記事だった。

あくまで休戦状況下での北朝鮮の砲撃はさほど驚く事ではない。

暗闇は誰しも恐い。本当の世界を知り、見通しが立てばそう騒ぐ事はない。

塾生の川口が日本の軍備などに明るいので説明してもらおう。

<川口慎介氏・(株)サムズスタイル代表>

日本の軍事力についてお話しさせてもらいます。

まず兵力とは、通常兵力、ミサイル、核兵器の3枠でくくられます。

中国以外の兵力情報はオープンになっています。

いわゆる『ミリタリーバランス』が大切であり、緊張の朝鮮半島でも万が一、ソウルに他国が侵攻したら、米軍が核を出動させる条約などが効いている。

韓国軍の兵力も最新鋭武器に60万人もの兵がいる。

世界が軍備縮小時代の中、韓国軍は現在保有する戦車600両を400両に削減するそうです。

日本の自衛隊でも900両あった戦車を400両に削減します。

数が減るからといって軍事力が低下する事ではありません。

現在の戦車は第5世代となっており、10式戦車などの旧式が引退するだけ。

10年前の湾岸戦争で活躍した第3世代の戦車でさえ、ソ連の旧式戦車300両に甚大な被害を及ぼす結果を出しています。

堅牢で軽量化が図られ、迅速な移動も可能となってきた戦車の進化は凄い。

ステルス戦闘機など100対1の割合で旧戦闘機を撃墜する能力があります。

中国や北朝鮮の軍備は旧式であるので心配する必要はないと言われています。

《シビリアン・コントロール》されている世界となっているので尚の事、どういう政治家を選ぶかが大事な時代となっていると思います。

<岬先生>

パキスタンなど5大大国以外も原爆を保有している現実の中、150万人の兵力を抱える中国に対し、14万人の自衛隊ではあるが、アメリカから買わされている最新兵器さえあれば大丈夫という時代でもある。

だからイラクでは自爆テロで対抗するしかなく、対する米軍はいまや無人のロボットがピンポイントで攻撃している。

まさに最新兵器に対し、竹槍で勝負を挑んでいるような状況である。

自民党のタカ派など憲法九条を改正し、大国と肩を並べる軍事力を持ちたいと望んでいる。

しかし背広組に識見がある文民統制が守られているので核も作っていない。

朝鮮半島問題を騒いでいるのはタカ派だけである。

ちゃんとした情報さえ持っていれば、無為に慌てる事はないのである。

最近、話題になっている《ウィキリークス》、様々な機密が暴露され、明らかな別件逮捕までしているが、サーバー戦争は大変な事態である。

金融機関などパニックになり得るし、様々な意味で状況判断が求められる時代でもある。

NHK教育放送で深夜「ハーバード大学公開講座」をやっていたが見た者はいるか?

安田講堂で2回開かれた講座で世界最先端の哲学が学べた。

ハーバード大学といえば多くのノーベル賞受賞者を輩出し続けている。

日本でも古くから各地に学問所が開かれたが、学問により将来が決まるといってもおかしくない。

一流の大学に行けば、それなりの人脈が出来る。

あのルーズベルトと金子堅太郎はハーバードで同級生だったので外交のキーマンとして世界で活躍することとなった。

「閨閥」(けいばつ)とは政財界、さらには皇室などに属す一族が自身の影響力の保持および、増大を目的に一族の子弟、子女を婚姻させ強固な関係を構築した結果できた血縁によるネットワークのこと。

「三角大福」時代、このネットワークを作っていなかった田中角栄が結局、潰される事となる。

いわゆる「エスタブリシュメント」が世界的視野から見れば重要であり、現在の菅総理などまったくそういう人脈がない。やはり東大出身者に任せておけば良かったという時代が来るかも知れない。

千谷大臣は東大中退で全共闘出身者。「自衛隊は暴力装置」発言にはあきれながらも同年代として懐かしく感じた。(笑)

戦後の日教組問題など同質である。

そこで人間学として心を鍛えることが重要である。

果たして「正義」とは何なのか?考える事が大事である。

アフガニスタン対アメリカ式民主主義、どちらが本当の正義なのか?

様々な角度から考えてみるべきである。

例えば、1000人乗りの船が遭難し、10人しか乗れない救命ボートに誰を乗せるか?リーダーだったらどうするか?

「公平」「公正」「公明」の下、先着優先順が原則となる。

人間誰しも自己防衛本能があり、正当防衛の理論で生きる権利が優先される社会である。

しかし「武士道」だと話しが変わる。

実母、恋人、社長が溺れているとしよう。当然、一番大切な人を助けるべきであろうが、合理主義とは一番、身近な人から順番に助ける事であろう。

いずれにしても『己が信じた選択でよし!』

「死」を覚悟すれば悩む事はない。

助けた順番によって感情が生まれ、重い十字架を背負う事になる事もある。

そういう意味で、家族と事前に話し合いをしておく事も大事であろう。

『愛と献身と気概』を美学とすることが自分自身の価値を高める事となる。

「生き残りたい」との思いが混沌を招き、大きな問題となる事もある。

俺は55才のとき、末期がんの宣告を受けたが、金も稼いだし、女も充分…(笑)

一番大切なものは何なのか?を考える事である!いかなる困難とぶつかろうが慌てるな!

俺のツイッターは読んでいるか?

ある美容室の経営者が退職者の多さに悩んでいた。

美容界の事しか知らず、経営者としての能力、実力を鍛えていなかったといえよう。

ある鋳物工場をやってるヤツがいる。

毎朝5時に起き、6時から仕事をするそうだ。

溶鉱炉に火が入ると工場内は真冬でも40℃を超えるそうだ。

工場内には、塩飴とポカリスエットが常備され、火傷は当り前、死亡事故も珍しくない業種である。

とにかく無事故がなによりの職場ながら30数名の社員達が薄給で頑張っている。

『武士道』の講義を行った事があるが、社長の人柄に社員がついていっている。

希望は薄いかもしれないが、みな戦っている!

冷暖房完備の美容室で戦えない理由はないはずである。

《和顔愛語》とはいうが、葬儀屋で笑顔は見せられない。

刑務所看守長の集まりで喋った事があるが、事前に担当者から「夢や希望の話しはしないで下さい」といわれた。

個人の感情を殺し、社会の歯車としてのみの職業もある。

出世はない、しかし安定した給料がもらえるのであれば勤続30年、頑張るしかない。

そう考えると可能性があるサラリーマンならではの幸せがある!

冒頭、室谷君が面白い話しをしてくれた。

宝暦治水事件、毎年氾濫を繰り返す、愛知、岐阜、三重にまたがる三川合流地帯の治水工事を嘆願された幕府が普請奉行として薩摩藩に命じる。

当時の薩摩藩は琉球辺りとの密貿易で儲けていると思われていた。

しかし実情は違い、1000名を手弁当で引き連れた大変な工事を請け負う事となる。

激流と闘う難工事で多くの命が失われ、このままでは薩摩藩はとり潰されてしまう、そうなるくらいなら幕府と戦争しよう!との声も出たほど。

しかしリーダーの薩摩藩家老「平田靫負」(ひらたゆきえ)の尽力により、1年半で工事は完了する。

歴史に残る大事業を成し遂げ、幕府より謝意を表されるが、その場で割腹自害したといわれる。記録上は病死した事になっているが、薩摩藩義士伝として語り継がれ、「平田靫負神社」では今でも毎年、お祭りされているし、ひとつの立派な侍道である。

さて、恩田木工であるが、長野県上田市の真田記念館の入口に胸像が飾ってある。

(P129〜《3つの誓い》朗読)

1.嘘をつかない

2.一飯一汁のみとする

3.古い衣服とする 新調する場合も木綿に限る

「半知借上」とは財政難の折り、公務員の給料を半分カットすること。

現在の国会議員の給料は秘書給与だなんだかんだで年間1億円ほど払っている。

赤字国債の垂れ流し発行や増税で補おうとしている。

まず、国会議員の数を減らすべき。

アメリカの上院は50州から各2名の代表で計100名しかいない。

ロシアなども同様であるが、我が日本だけは政治家天国といえる。

これでは山積する問題を解決できる訳がないと立ち上がった《龍馬プロジェクト》では来年4月から無派閥の100名を立候補させ、日本を無茶苦茶にしようとしている。

スローガンは「政治家の年棒半減!定数半減!」

名古屋の川村市長も職員の給料が高すぎるといっている。

年間3万人もの自殺者が出る中、与党民主党は小沢問題で何も前進できない。

TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に加盟するかも大きな問題である。

ロシアは小麦の輸出禁止を表明したし、これからは食料を巡る戦争となっていくだろう。

日本農業の10年後は益々、人手不足であろうが企業が大規模農業に進出している。

輸出される農産物は、中国のブルジョアが食う事となるであろう。

そんな中国や韓国ではいち早く、アフリカを支援しながら小麦を生産しているのである。

いわゆる「ウィンウィンの関係」に日米欧は反対しているが、「新植民地時代」が実際には始まっている。

では日本はどうするのか?である。

政府ももちろんだが、農協と農家の怠慢であろう。

儲からないと言いながらも高級車に乗っていたり…まず農業の実態をオープンにする事が大事である!

(P130ページ朗読)

上に立つものは「朝令暮改」を避け、「言行一致」を当り前とする!

人間のモチベーションを安定させるためには揺るぎなき目標が必要である。

嘘をつかない事が大前提ではあるが、大岡越前の裁判では、子どもの母親を主張する母親二人に子どもの手を引っ張りあわせ、手を離した方が負けといっておきながら我が子の苦しむ姿に見かねた女性を母親と認定した。

裁判官も嘘をつくのである。(笑)

天使と悪魔の間に存在するのが人間である。

そうガチガチに縛らなくても良い。良い事をした人、悪い事をした人、常に同数であるし、自分自身、どちらにもいたりする。

日本国内で登り坂と下り坂、どちらが多い?(笑)

《禍福は糾える縄の如し》ノイローゼにならない秘訣だぞ!

またそれが人間の本質でもあるからな。

この後、総勢13名の充実した忘年会で2010年の岬塾は幕を降ろしました。

文責;岬塾生・伊藤博

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